包茎手術は医学的には不要かもしれない。
しかし心理的な効果は絶大だ。
相撲取りの「断髪式」にもにている。
体の形を変えることで、
心まで変えられるのだ。
人間の心に外側から手を加えることができる。
それは「厄払い」の儀式と同じだ。
不安を和らげ前向きにさせてくれる。
古来から使われてきた方法だ。
清水寺の縁切り「人形祓い」
京都の清水寺では「人形祓い」と呼ばれる縁切り儀式ができる。
修学旅行等で行く、あの有名な清水寺だ。
境内にある「地主神社」（じしゅじんじゃ）で厄除け・開運ができる。
地主神社は厄除け・開運の人気ポットだが
裏手に「人形祓い所」というものがある。
縁切りしたい人は、そこに行き
まず「人形」（ひとがた）を購入する。
『陰陽師』に出てくるような、白い紙を切り抜いたものだ。
値段は２００円。
厄除けの願いを記入し、人形を水にいれる。
すると人形に水がしみていき、文字がはがれて消える。
見ていると心が軽くなる。
大好きだった恋人を忘れるのは不可能だが
名前を紙に書き水に入れるのは可能だ。
頭の中を整理するのに具体的な
体の操作が有効なのだ。
自分でもできる縁切り
同じことは家でもできる。
忘れたい人の名前を紙に書き
トイレに流してしまえばいい。
だが清水寺でやるほうが効くだろう。
演出効果である。
地主神社はパワースポットだ。
人形祓い所の横には「いのり杉」もある
実際に丑の刻参りに使われた呪いの木だ。
五寸釘の跡が残っている。
そんな場所で作法通りに縁切りすれば
心理的効果が大きい。
包茎手術は、「縁切り」の儀式
包茎手術にも同じ効果がある。
自信のない自分を切り離すことができるのだ。
むけていることは、男性として
成熟していることの象徴だ。
手術してしまえば、むけている体を
他人に見せることができる。
銀シャリの鰻は、手術中に「神聖な気分になった」という。
それはBGMでエンヤが流れていたからだけではない。
手術そのものに心理的な効果があるのだ。
メスを入れて、体の一部分を切り離す。
しかるべき金額を払い、
きちんとしたクリニックで、
手順を踏んで手術を受ける。
切り離すのは包皮だけではない。
幼かった自分、未熟で自信のない自分に
そうやって別れを告げるのだ。
包茎手術そのものに医学的な意味はないかもしれない。
それでも包茎手術がなくなることはないだろう。
精神的な価値がそこにあるからだ。
