日本の包茎手術業界は縮小傾向だ。
まず日本の人口が減り始めている。
手術できる陰茎の数に限りがあり
市場が年々縮小しているのだ。
さらに仮性包茎の地位が向上がある。
仮性なら機能上なんの問題もない状態だ。
インターネットの普及によって
医療情報取得がオープンになり
昔ほど手術の必然性が感じられなくなった。
そのうえインターネットが
もう一つの可能性を開いてしまった。
エロ動画によるオナニーである。
スマホの普及は人類の性行動を変えてしまう。
生身の人間を相手にすることが減れば
「余計な」気遣いは省略できてしまう。
包茎手術の必要性は薄らぐ。
だいたい不景気で金もないのだ。
部屋でスマホをみてオナニーすれば
一番安上がりではないか。
こんな逆風のなか、包茎クリニックは
どんな方針をとっていくべきなのか。
「共有地の悲劇」モデルを手掛かりに考えていきたい。
共有地の悲劇とは
共有地の悲劇とは、
生物学者ギャレット・ハーディンが考えたモデルである。
たとえば、村の共有地で牛を飼う。
共有地の草は無料だから
たくさん牛を飼ったほうが得だ。
しかし牛が増えすぎると共有地の草がなくなる。
さいごには荒廃して共有地では
もう牛を飼えなくなってしまう。
けっきょく自分の利益だけを考えて
牛を増やし続けた村人だけが得をして
あとには不毛の荒れ地が残される。
同じことが経済でも起こる。
市場が限られているところで
競争がはげしくなると
安売りによる市場崩壊がおこり、
生き残ったものが独占する。
包茎手術の値段を下げてはいけない理由
「共有地の悲劇」を包茎業界にあてはめると
「草」が包茎、「牛」が包茎手術だ。
草、つまり包茎の本数は限られている。
手術費を下げて大々的に宣伝すれば
自分のところは売り上げが上がる。
牛をたくさん飼える。
しかし宣伝と値下げだけでは
業界全体の売り上げは下がる。
値下げ競争の結果、
残されるのは最低限レベルの施術を
ぎりぎりの価格で提供する独占市場だ。
これが包茎手術業界における
「共有地の悲劇」である。
共有地の悲劇をさけるために
日本の漁業では典型的な共有地の悲劇が起こっている。
漁師がとれるだけとってしまう結果
乱獲が繰り返され、おいしい魚が減り
魚のサイズも小さくなってしまう。
ところが佐渡のエビ漁では
漁獲制限をして非常にうまくいっているという。
たくさん獲るのをやめたら、
儲かって休みも増えた。
佐渡のエビ漁に見えた希望
漁獲量を決めてしまうと
漁師の努力の方向が変わる。
とにかくたくさん獲るのではなく
価値の高いエビを優先して獲るようになる。
需要が高くて値段の上がる時期に取るようになる。
結果として労働時間が減り、待遇も改善し、
大幅に利益があがった。
漁獲制限は海外の漁業で率先してやっている方法だ。
包茎手術業界でも漁獲制限すべきではないか。
いたずらに手術数を増やすのではなく、
満足度の高い処置を優先してお勧めする。
若者の不安をあおって強引に成約させるのではなく、
お金に余裕のあるセレブへ高品質な施術を行い、
リピーターになっていただく。
美容クリニックの地位向上と労働環境向上のために
将来にむけて方針を考えるべきではないか。